Excelはデータ集計・分析ソフトです。だからこそ、数字の羅列で終わらせるのではなく可視化することで説得力を増す情報に変化させることが可能になります。なので関数だけでなくグラフなどの視覚的アプローチも身に付けていきましょう。
棒グラフの種類
基本的な使い方
グラフを加工(2軸、区分線)
なお、グラフの作り方は簡単でデザインなども特に凝る必要はないと思います。(あくまでExcelはデータ集計・分析するものなので)
しかし使うグラフの種類が異なると「何を伝えたいの」という根幹の部分がおかしくなってしまうので、グラフの種類と使いどころは伝えるもののイメージが出来てから作り始めるほうがいいでしょう。
棒グラフの種類
棒グラフと一言にいっても様々な形のものがあります。今回はその中でもよく使われているグラフに焦点を当てていきます。
下のグラフは「集合縦棒」「積み上げ縦棒」「集合横棒」「100%積み上げ横棒」の4つです。今回の例として『Excelの使い方についての意識調査』のデータをグラフにしています。
この4つのグラフはまだ加工途中で、必要な情報をこれからグラフに入れていきます。まずは各グラフがどういう特性なのかを見ていきましょう。
「集合縦棒」「集合横棒」
機能は同じです。使い分けるとしたら項目の多さや最大値の大きさによって縦横を使い分けるのがいいでしょう。(人間の目は左から右に流れる情報に強い特性を活かす)
「積み上げ縦棒」
後述しますが、今回はのデータでは20代以下・30~40代、50代以降という3世代ごとのデータ集計をしています。Excelの知識に関して5段階別で一番見やすいのがこの形です。
「100%積み上げ横棒」
よく意識調査なので使われるのはこの形が多いです。これは世代ごとにどのように割合が変化しているのかを一番可視化しやすいグラフになっています。
基本的な使い方
どのグラフにも共通する使い方を説明していきます。
データ選択(グラフになる範囲)
グラフになる範囲を選択します。グラフ挿入後でも範囲を変更できるので、そこまで気にする必要はありません。
範囲を選択したら「挿入タブ」の中から棒グラフを選択します。
グラフの種類が出てくるので、今回は「集合縦棒」を選択してみます。「集合縦棒」をクリックすると以下のようなグラフが出来ます。
おおよその部分は出来ているのですが、グラフの棒に具体的にいくつなのか数字を入れたり、棒の色のアレンジなどについても変更が出来ます。
グラフの各部位には名称があるのでこちらをご確認ください。
それぞれのエリアで右クリックで出てくるショートカットメニューでできることなどを挙げていきます。なお、どのエリアでも右クリックで出てくる「データの選択」でグラフの対象となるデータの範囲を変更できます。
グラフタイトル
必要なければ消して構いません。むしろグラフ描画スペースが確保しやすいので私は消してしまっています。(グラフ枠外かテキストの挿入で付ければいいので)
2つの軸(横軸・縦軸)
グラフで重要になる部分の1つです。
- 縦軸について
縦軸では主に境界値(グラフの最大/最小値)や単位を変更します。また主線と補助線の設定もでき、主線とは今回のグラフで10ごとに入っている横線のことです。
他にも軸の上下を逆さまにしたり軸の数字の書式も変更することが可能です。
- 横軸について
基本的には縦軸の横バージョンと考えて問題ありません。
プロットエリア
グラフが描かれている範囲内のことを指しています。プロットエリア内にあるグラフをクリックすると、グラフ本体に関してのショートカットメニューが出てきます。
「データラベルの追加」
グラフにデータの数字を表示させます。
「データ系列の書式設定」
グラフの棒の間隔や重なり方、棒の色や書式の変更が出来ます。
また、軸の変更が出来ます。軸の変更については後述していきます。
凡例の書式設定
凡例の書式設定では、「何色が何歳代」という表示部分を色掛けしたり、文字サイズや配置することができます。
グラフを加工
いくつか加工パターンを見ていきます。
2軸グラフ
2軸グラフとは比べる値が異なるものを1つのグラフで表現するときに使用します。
このグラフに『データ分析のテスト結果』を反映させていきます。
さきほどのグラフで右クリックから「データの選択」を選び、ダイアログボックスの中から「追加」を押します。
系列名は『テスト20代以下』、系列値は$F$3:$F$7を選択してOKを押してください。あとは同様に「追加」から『テスト30・40代』『テスト50代以降』も設定します。
追加し終わったら、追加したグラフを右クリックして「系列グラフの種類の変更」を選択します。
Excelのバージョンによってこの後の動作が若干異なります。
Excel2016だとこんな形です。「組み合わせ」を選んで変更させたい系列名のところでグラフの種類を「折線」に変更して「第2軸」の□に✓を入れてください。
今回は、『テスト○○』となっているグラフをすべて変えます。
Excel2010では「系列グラフの種類の変更」を選ぶとこのような形になるので、変更したいグラフの形に変更してください。
縦軸が左側だけでなく、右側にも追加されました。これは左側の軸はこれまでと変わらず、新しく追加された右側の軸は折線グラフ(テストの点数)を表す軸になっています。アンケートとテスト結果は比べる値が異なるので第2軸が必要になるという事です。
あとはグラフを右クリックして「データラベルの追加」や「データラベルの書式設定」を使って以下のようにできれば完成です。